日本の建設業の大きな特色として下請制度がある。建設業者は、建築・土木工事を問わず、建設物を完成させるまでに数多くの専門工事、職能工事業者、いわゆる下請、協力業者の力に依存する。建設業者・元請は、工事を受注すると工事種類ごとに分類し、それぞれの下請業者に発注し、完成させる。元請は、技能工や単純労働者ばかりでなく建設機械なども下請業者に依存することが多い。元請に要求されるものは、設計・監理・資材調達・金融力などである。
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その中心は、工事を専門・職能別の業者に効率的に発注し、管理・施工をすることである。一般の総合建設会社の外注費比率は、工事原価の六〜七割に達している。事務所・工場など建築工事では五〜六割、鉄道・道路・ダムなど土木工事では七割前後が外注、いわゆる下請に発注されている。下請となる専門業者になると、外注費比率は低下する。道路舗装は五割弱、ビルや工場の電気設備工事では、三割程度である。空調などの工事業者も同様なことがいえる。元請から専門工事業者に、専門工事業者はさらに下請へ、その下請はさらにより小さな下請を使う。労務下請の場合には、末端の作業員までには大・中・小の世話役がおり、各々を統括し労務を供給している。このように一つの工事に元請から一次下請、二次下請、三次……などというように下請が重層的に存在することを、とくに重層下請制度と呼んでいる。