ロレックスの成功は、一度確立した「質実剛健」「高級時計」「確かな技術」というブランド−イメージを守り続けたことで決定的となる。六八年にセイコーがクオーツ式時計を発売し、スイスの機械式時計が大きな打撃をこうむったとき、ほかのメーカーが機械式から転換しようと試行錯誤するのを傍目に、ロレックスは機械式にこだわり続けた。ところが八〇年代になり一転して機械式が見直されるようになると、逆に他社の優位に立つことになったのである。生産個数をコントロールしてきたことも、商品の希少性につながった。こうした企業姿勢とブランド神話がある限り、ロレックスの権威と優位が揺らぐことは当分ないだろう。